数多くの国宝、重要文化財をもつ奈良市最大の神社である春日大社

 

境内では毎年5月初旬に見事な紫の花を咲かす樹齢700年以上とされている砂ずりの藤があります。

 

そして多くの観光客・参拝者を喜ばせています。

 

この記事では、藤原一族とゆかりのある春日大社の歴史的背景、本殿・灯篭・式年造替の歴史について、分かりやすくまとめています。

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春日大社の歴史的背景を簡単に解説

春日大社の創建は約1300年前の奈良時代まで遡ります。

 

平城京の遷都にともない、藤原不比等が春日大社の裏山にあたる御蓋山(みかさやま)山頂に、鹿島神宮から「武甕槌命」を勧請したのが始まりとされています。

 

創建には諸説あり、768年、藤原永手が

  • 鹿島神宮「武甕槌命」
  • 香取神宮「経津主命」
  • 枚岡神社「天児屋根命・比売神」

を勧請し、御蓋山麓の社殿を造営した際、創祀したともいわれています。

 

藤原氏の氏神であった「武甕槌命」をお祀りした春日大社は藤原一族の繁栄とともに興隆し、発展を遂げてきました。

 

また、鹿で有名な奈良公園にある興福寺は藤原氏の氏神です。

 

春日大社とともに藤原一族を支えた、重要なバッググランドであったといっても過言ではありません。

 

興福寺がかつての大和国の大半の荘園を手に入れていたという事実こそが、藤原氏が実質的な大和国・国主として権勢を誇った証といえるでしょう。

 

それでは藤原氏について、簡単に説明します。

 

藤原鎌足を祖とする氏族で、源平藤橘と総称される源氏・平氏・橘氏とともに国内を代表する名門氏族になります。

 

大化の改新の功績が認められ、天智天皇より「藤原姓」を賜ります。

 

中臣鎌足改め、藤原鎌足と名乗るようになり、鎌足の次男である不比等が跡を継いでからは不比等の子孫のみが藤原姓を名乗ることができ、太政官に就くことが許されたとのことです。

 

春日大社の本殿の歴史を簡単に解説

 

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春日大社に参拝された方はご存知だと思いますが、拝観料を支払うと本殿を観覧することができます。

 

回廊式になった珍しい建築で、長方形の堀を囲むように南回廊・東回廊・西回廊・北回廊の東西南北の回廊を進むようになります。

 

その回廊の内側にはご本殿はじめ、国宝の中門、樹齢1000といわれる御神木があります。

 

ご本殿は、第一殿・第二殿・第三殿・第四殿の合計4つの本殿で構成されています。

 

それぞれの神様は以下の通りです

 

  • 【第一殿】:武甕槌命
  • 【第二殿】:経津主命
  • 【第三殿】:天児屋根命
  • 【第四殿】:比売神

 

4つの本殿にお祀りされている神様はすべて藤原氏の守護神になります。

 

この4つの本殿は東西に横に並んでいますが、その美麗さは秀逸。

 

150年を優に過ぎている建物ですが、式年造替によって幾度となく建て替えられてきた歴史があり、現在の美しさが維持されています。

 

参拝に行かれた際は、赤と茶、金色の織りなす世界観を身近でお楽しみください。

 

春日大社の灯籠の歴史を簡単に解説

春日大社には数多くの灯篭が掲げられていますが、その数をご存知でしょうか。

 

現在、灯篭の数は3000です。

 

日本一、灯篭が多い神社としても有名で、数は石燈籠約2000基、釣燈籠約1000基となっています。

 

これらの灯篭の中には日本の歴史に登場する戦国武将・直江兼次、宇喜多秀家、藤堂高虎から寄進されたものも多く見られます。

 

さらに15基のみ、「春日大明神」と刻まれた石灯籠があるとのことです。

 

この15基の中から、一晩で3基を見つけることができると長者になれるとの言い伝えがあるそうです。

 

参拝された際、探して歩いてみてはいかがでしょう。

 

ちなみに、毎年2月に開催される「節分万燈籠」では3000基の灯篭に火が灯ります。

 

 夕方の時間帯は冷え込みが激しくなりますが、ピンと張り詰めた空気の中で幻想的に照らされる灯篭の優しい灯りは雅でいて厳か。 

 

まるで奈良時代にタイムスリップしたような不思議な感覚が味わえると参拝者にも大好評で、大勢の参拝者・観光客でにぎわうそうです。

 

春日大社の式年造替の歴史を簡単に解説

 

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春日大社では20年に一度、「本殿遷座祭」「仮殿遷座祭」が行われます

 

これは神様に移殿へお遷りいただき、その間に本殿の修復を行い、修復が終わり次第、お遷りいただくというものです。

 

ちなみに、お遷りいただくことを「仮殿遷座祭」、本殿にお遷りいただくことを「本殿遷座祭」と呼びます。

 

これが、いわゆる「式年造替」です。

 

1300年前から受け継がれている行事の一つです。

 

建築技術を伝承する、御祭神に感謝する、次世代の若者たちにそれらの存在意義を伝えることで、「式年造替」の歴史を代々伝えていくというものになります。

 

「式年造替」が行われている時に限り、通常では立ち入ることができない場所の観覧、参拝が可能です。

 

この時期の期間限定の特別参拝、国宝・重要文化財の特別公開を楽しみにされている方も少なくありません。

 

また、「式年造替」が行われている時は御朱印も通常の御朱印とは異なり、「式年造替」限定になります。

 

例えば、平成28年度に配布された御朱印には春日大社ゆかりの藤巴紋、「第六十次式年造替 拝御假殿」の文字が描かれていました。

 

前回の「式年造替」は平成27年に「仮殿遷座祭」、平成28年に「本殿遷座祭」が行われました。

 

次回はその20年後、令和17年でしょうか。

 

今回の「式年造替」では御本殿の正遷宮が完成したそうです。

 

幸せの縁を結ぶとされる屋根修理の材料「檜皮」の奉納・寄進は現在も受け付けているとのことです。

 

11000円。詳細は春日大社社務所にてお問い合わせください。

 

春日大社社務所

630-8212

奈良市春日野町160

TEL 0742-22-7788

FAX0742-27-2114

 

まとめ

・春日大社の歴史的背景には藤原氏があり、大和国の発展に尽力。

 

・春日大社の4つの本殿は、すべて藤原氏の守護神がお祀りされている。

 

・春日大社の灯籠は、歴史に登場する戦国武将たちが寄進したものである。

 

・春日大社の式年造替は、1300年前から代々受け継がれている伝統行事である。

 

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます!

 

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