タケミカヅチといえば日本神話最強といわれるほどの武神で、茨城県の鹿島神宮の主祭神です。

 

『古事記』では「国譲り」や「神武東征」において多大な活躍を収めました。

 

そこまでのパワーを持つタケミカヅチは、一体どのような性格をしているのでしょうか?

 

この記事では『タケミカヅチの性格・タケミカヅチが表している象徴や正体・親や息子』について解説していきます。

 

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タケミカヅチの性格

タケミカヅチは”日本神話最強の武神”にふさわしくかなり勇猛で激しい性格の神様です。

 

タケミカヅチの性格はその名前からも見て取れます。

 

ケミカヅチを漢字で書くと「建御雷神」で、この名前を分解すると「タケ+ミカ+ヅ+チ」となります。

 

タケミカヅチの名前の意味について『古典基礎語辞典(大野晋編)』によると次のように書かれていました。

 

タケは勇猛さの意、ミカはミ(御)イカ(厳)の約で、猛烈な力の発現、特に雷を指す。ツは助詞、チはヲロチ(大蛇)、イノチ(命)などのチで自然のもつ威力を表す。

出典:『古典基礎語辞典』.角川学芸出版.大野晋編.711ページ.

 

上記の辞典の内容をまとめると、タケミカヅチは「猛烈な自然(雷)の力を持った勇猛な神様」といえます。

 

実際に、タケミカヅチは「国譲り」で大国主大神の息子を投げ飛ばし、島根県から長野県まで追いかけるほどのパワーを見せていました。

 

また「神武東征」では直接的な活躍はありませんが、気を失って倒れた神武天皇一行を間接的に助けています。

 

 私はタケミカヅチが神様の中で最も好きなのですが、このように凄まじいパワーを持つとかなり頼もしいですね!今後も地元の春日神社などにお参りします(笑) 

 

ちなみに、名前に「建」の漢字がつけられている神様はだいたい荒々しい性格を持っています。

 

具体的な例を挙げると

  • 建速須佐之男命
  • 建御名方神
  • 倭健命

がこれに該当します。

 

スサノオは高天原で暴れ、天照大御神が岩戸に隠れる原因となっています。

 

建御名方神は巨大な岩を一人で持ち上げるほどのパワーを持ち、タケミカヅチに勝負を挑みました。

 

倭健命はその凶暴な性格を恐れた父親(景行天皇)によって、日本各地の平定を命じられています。

 

 そのためどこかで神様の名前を目にしたときに”建”の文字があると、「この神様は荒っぽい性格なのかも…?」と気にしてみると面白いかもしれませんね! 

タケミカヅチの象徴や正体

 

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タケミカヅチは名前の漢字から見て「雷」、その勇猛さから見て「戦い」を象徴(神格化)する神様であるといえます。

 

「国譲り」では天鳥船神という神様とともに地上に降り立ちますが、古来より雷神は船を乗り物にするという考え方があるのです。

 

実際に『日本霊異記』という古典には、地上に落ちてしまった雷様が人間にクスノキの船を造らせ、それに乗って天界に帰った話があります。

 

 ちなみに個人的には、タケミカヅチはふつうの雷ではなく「春雷」を表していると考えています。 

 

春雷とは文字通り春(3月~5月)ごろに発生する雷のことです。

 

私がこのように考えた理由は神話の並びにあります。

 

タケミカヅチが活躍する「国譲り」のあとは、ニニギが活躍する「天孫降臨」が続きます。

 

『日本書紀』によるとニニギは、この神話で天照大御神から稲を受け取り地上で稲を繁栄させます。

 

つまりタケミカヅチ(春雷)の直後ニニギ(稲)の話へとつながるということです。

 

さらにニニギノミコトの名前は「稲穂が豊かに実ること」を表しています。

 

 神話の並び順や神様の名前の意味から考えても、私の考察はかなり良い線をいっているのではないか?と勝手に思っています(笑) 

 

タケミカヅチの親

タケミカヅチの親神は伊都之尾羽張いつのおはばりという刀の神様です。

 

この神様はイザナギがカグヅチという火の神様を切り倒した際に使われた刀です。

 

 名前にも使われている”伊都”は「威勢の盛んな様子」を表しているので、まさに「この親あってこの子あり」みたいな感じですね(笑) 

 

タケミカヅチの息子

 

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タケミカヅチの息子は『古事記 中巻』の崇神天皇の話に登場した、オオタタネコという人物と考える説があります。

 

オオタタネコは大物主大神の子孫です。

 

大物主大神は奈良県桜井市三輪にある大神神社の主祭神です。

 

『古事記』の本文によるとオオタタネコの家系図は次のようになります。

 

【オオタタネコの家系図】

 

大物主大神

櫛御方命

飯肩巣見命

タケミカヅチ

オオタタネコ

 

本文ではたしかに「タケミカヅチ」の記載がありますが、 私はタケミカヅチに息子はいないと考えています。 

 

その理由は、オオタタネコの親のタケミカヅチが、国譲り神話で活躍した神様と同一神だとすると矛盾が生じてしまうからです。

 

前項目でお話したように、国譲り神話で活躍したタケミカヅチの親神は伊都之尾羽張です。

 

仮にオオタタネコの親が同一神だとすると、タケミカヅチは大物主大神の子孫になります。

 

 そのため私は「タケミカヅチに息子はいない=オオタタネコの親とは同姓同名の別人」と考えているのです。 

 

実際に神社仏閣に関する辞典を読んでいてこの説を見つけたので、人によって意見が異なるのでしょうね…。

 

まとめ

・タケミカヅチの性格は名前の意味から見ても勇猛で激しい性格だと考えられる。

 

・タケミカヅチは戦いを象徴する神様であるが、私は「春雷」の性質を併せ持つと考えている。

 

・私は国譲り神話で活躍したタケミカヅチに息子はいないと考えている。(人によって意見は異なる)

 

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます!

 

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