宗像大社といえば辺津宮、中津宮、沖津宮があることで知られています。
そのお宮の中でも沖津宮は沖ノ島という島にありますが、こちらに参拝することは可能なのでしょうか?
また女人禁制とされていますが、現代でも女性は島に立ち入ることはできないのでしょうか?
この記事では『宗像大社の沖ノ島は参拝可能なのか・女人禁制の理由・沖ノ島の歴史』について解説していきますね。
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宗像大社の沖ノ島にある沖津宮は参拝可能なのか
海の日イベントで宗像大社沖ノ島遠望船に参加してきたよ。
てっぺんの灯台までしっかり見えてすっごくキレイでした…
空も海も真っ青。
#神宿る島 pic.twitter.com/iTLGkHBMYk— ロド (@rodotan) 2019年7月16日
結論からいうと沖津宮がある沖ノ島に一般人が入ることは一切禁止されています。
沖ノ島は島全体がご神体とされているので、以前は「現地大祭」というお祭りで選ばれた人と、神職さんのみが島に立ち入ることができました。
しかし沖ノ島が2017年7月15日に世界文化遺産に登録されたことをきっかけに、現地大祭も上陸せずに行われるようになりました。
つまり資産保護のために一般人による立ち入り規制が強化されたのです。
現在は宗像大社の神職さんが、10日交代で沖津宮に奉仕されています。
次の10日が訪れるまでは無人島にずっと1人でいることになるので、かなり寂しく心細いでしょうね…。
沖ノ島が立ち入り禁止ということは、当然神職さん以外は沖津宮にも参拝できないことになります。
しかし中津宮が鎮座している島に沖津宮遥拝所が鎮座しているので、沖津宮にお参りしたければ遥拝所でお参りしてくださいね。
遥拝とは「遠くから神様や仏様を拝むこと」という意味があるので、遥拝所にお参りすると沖津宮にお参りしたことになるのです。
直接参拝できないのは残念かもしれませんが、遥拝所にお参りすると下記画像のような素晴らしい絶景を見ることができます!
今日は、福岡県宗像市 大島にある
宗像大社中津宮と沖津宮遙拝所に行ってきました遥拝所は、鳥の鳴き声が響き渡る、時空を越えてきたような、不思議な場所でした。
海の水がとても澄んでいて、潜りたくなるような穏やかな島でした pic.twitter.com/mnniIR6dLy
— ami(渡瀬亜由子) (@hiro_po333) 2018年10月13日
沖津宮遥拝所の場所は下記地図のとおりなのでご確認ください。
【アクセス方法】
大島港からバスで約10分
※大島島内観光バス(1日7便)の場合
※徒歩の場合は約30分
宗像大社沖ノ島が女人禁制の理由
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沖ノ島は島全体がご神体とされるほど非常に神聖な島です。
現在は一般人の立ち入りは禁止になりましたが、女人禁制の風習自体は今でも続いています。
そもそも女人禁制の考えはなぜ生まれたのでしょうか。
女人禁制の考え方は仏教の影響が強いといわれています。
仏教では女性の存在が煩悩を断ち切るための修行の妨げになる、月経や出産による出血は”穢れ”とみなされていました。
そのため時が経つにつれ、神社で行われる神事などにも遠ざかるようになっていったのです。
しかし本来の神道において女性の存在は非常に重要視されていました。
古代の巫女さんは神様のお告げを周りの人に伝えていたと考えられているからです。
実際に『古事記』には神功皇后という14代天皇の奥さんが、神様のお告げを天皇とその家臣に伝えている記述があります。
仏教の考え方や修行僧に「女性差別」の意図があったかは不明です。
しかし少なくとも沖ノ島においては現在でも女人禁制の風習が続いているのです。
女性にとったら「これは女性差別だ!」と思うかもしれませんが、大昔から続く風習や宗教上の理由の場合はどうすることもできないのかもしれませんね…。
宗像大社沖ノ島の歴史
宗像大社沖津宮遥拝所。風もなく穏やかな晴天でしたが、海上は霞んで沖ノ島は見えませんでした。寒い日のほうが見えやすいそうですが、見えなくても感動です。 pic.twitter.com/FiunyN8Vol
— こまいぬ@御朱印研究家 (@kokon_komainu) 2019年2月17日
沖ノ島は日本列島と朝鮮半島の間に位置していることから、古代より航海に携わる人々の道標になっていました。
ちなみに宗像地方の人々は当時から高い航海技術を持っていたそうです。
日本を含む東アジアではなんと、4世紀~9世紀末まで海を越えた交流がとてもよく行われていました。
沖ノ島は現在でも神事が続けられていますが、当時もこの島で祭祀が行われていたと伝わっています。
祭祀が行われていた理由は航海安全と他国との交流の成功を祈願するためです。
沖ノ島公式サイトによると、そのためにおびただしい量の貴重な品を用いていたと記載されています。
このような経緯から沖ノ島ははるか昔から信仰の対象となっていたことが分かります。
また前項目で「女人禁制」の風習が続いていると述べました。
しかし他にも
- 上陸前は海で禊を行い身を清める
- 草一本、石一個たりとも持ち出し禁止
- 島で見聞きしたことは一切他言無用
といった掟が今でも厳格に守られているのです。
ちなみに沖ノ島の沖津宮には、宗像三女神の長女でもある多紀理毘売命がお祀りされています。
まとめ
・沖ノ島は世界文化遺産登録以降、一般人の立ち入りが全面的に禁止された。現在は奉仕のために神職のみが立ち入りを許されている。
・沖ノ島は現在でも女人禁制、島内の物はすべて持ち出し禁止、上陸前は海で禊を行う、島内で見聞きしたことは一切他言無用の掟が守られている。
・沖ノ島は古代から航海安全と他国との交流の成功を祈願するために祭祀が行われていた。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます!
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